やわらかい日差しに春の訪れを感じた3月4日、「北区こどものまち」の当日を迎えました。

朝9時30分にこどもスタッフが集合して、お店の最終確認と陳列をして、参加者を迎える準備をしました。これまで約半年間にわたって準備をしてきた子どもたちは、いよいよ本番!と意気込んでいます。

10時30分に受付が始まると、たくさんのこどもたちがメイン会場の「まちのひろば」に集まってきます。

ぐるっと周りを囲むお店を見ながら、「あそこで働きたい」「こっちかあっちか迷うなぁ」と友だちと話し合う姿が見られます。

11時、いよいよこどものまちのスタートです。

こどもスタッフ44人と当日参加者174人の、合わせて218人で「北区こどものまち」をつくります。

まちびらきでは、まちのすごしかたの説明を聞いて、こども区長、北区の松本区長、大谷大学の岩渕教授、山崎製パン(株)の表さんによるテープカットが行われました。

 

まちびらきが終わるとすぐに、ハローワークに向かう子どもたち。廊下まで続く長蛇の列ができています。

その列には並ばず、さっそくまちの通貨「ドキ」を使って買い物をしたり、遊んだりする子もたくさん!

あちこちから、呼び込みの声や楽しそうな声が聞こえてきます。

するとさっそく、「キッズけいさつ」からアナウンスが入ります。

「キッズけいさつからお知らせです。30ドキが落ちていました。心当たりの方は、キッズけいさつまでお越しください。」

みんなドキの大切さをわかっているので、きちんと届けてくれます。

だいたいみんながこどものまちのすごしかたを体感できてきたところで、そろそろお腹が空いてきました。

「もぐもぐレストラン」では山崎製パンに提供いただいたパンがずらりと並んでいて、お昼ごはんに、おやつに、買いにくる人が多くて大盛況!

「どれにしますか?」「これください!」と店員さんとお客さんのやりとりが賑やかです。

メイン会場を出て、隣の部屋はお化け屋敷と映画館です。

お化け屋敷「呪霊の館」からは「キャー!」と悲鳴が聞こえてきて、なんだかとっても怖そう…。当日参加の人も説明を聞いて、傷メイクをして、お化け役になっているようです。

映画館「天才かずきとそらの子どもの町京都シネマ」は、自分たちの名前を冠してお店を盛り上げています。チケットを買って、店員さんが撮った こどものまちの映像に見入るお客さんの姿が見られました。

さらに隣の部屋は、銀行とハローワーク、そして食事スペースです。

お昼ごはんを食べようと、仕事をやめてお給料をもらうために「こども銀行」に並ぶ人の列と、お昼ごはんを食べている人で部屋がいっぱい!

なかなか出ない求人をハローワークで待ち続けている人の姿もありました。

再びメイン会場に戻ってみると、「きゅうけい中」の看板が出ているお店がちらほら。お昼の休憩タイムのお店が多いようです。

店長さんのなかには、おとなが「ちょっと代わってあげるから休憩しておいで。」と声をかけても、なかなか休憩しようとしない人も何人かいました。

店長さんの責任感の強さを感じます。

 

それぞれのお店を見ていきましょう。

入り口を入ってすぐ右側は、家具と時計を売る「ハッピーかぐ星」。本棚や時計を組み立てて、かわいいイラストを描いていきます。ここは事前におとなパートナーの方に組み立て方を教えてもらった子どもたちがつなぎを着て店長さんをしています。

その隣は「キッズゆうびん」。レターセットや切手を売っています。なかよしの2人がわくわくするかわいいお店をつくっています。

隣のおもちゃやさん「トイパラダイス」では、コマや剣など、手づくりのおもちゃが並びます。ここで買った剣を使ってまちのひろばで戦いを繰り広げる人もいました。

曲がって隣は、雑貨屋「なんでも屋」。かばんや折り紙でつくったかわいいケース、風船などが並びます。

折り紙のケースは自分で絵がかけるキャンペーンをして人気を集めていました。

 

その隣は「こども警察」です。そんなに事件はおきないだろうと思っていたら大違い!落とし物はひっきりなしにやってくるし、お兄ちゃんとはぐれてしまった迷子は来るし、仕事はたくさんありました。

隣のゲーム屋では、輪投げとボール入れのゲームがあって、途切れることなくお客さんがやってきます。ボール入れはピンポン玉がはねてしまって、意外と入らず難しいようです。

曲がって、「クローバー学園」では、音楽の授業が行われていてキーボードから音楽が聞こえてきます。

隣のレストランは相変わらずの盛況っぷり!

さらに隣は美容室「心奈(みな)ヘアサロン」です。店長さんの名前を一文字ずつ取ってつけた店名で、ヘアアレンジをしてもらえます。アレンジしてもらって、にっこり笑うお客さんの顔が印象的です。

そのお隣はマッサージ「幸福」。おうちの方がマッサージ師という店長さんはこの日のために練習を重ねてきたそうです。ただ…こどものまちなので、マッサージをしてほしい!というお客さんがあまり現れず、呼び込みに力を入れていました。

隣の「LOVE STORE」では、ミサンガやブレスレットなど、手づくりのアクセサリーが並びます。働いている人もみんな笑顔なのが印象的なお店です。

曲がって隣は「HAPPYデパート」です。服やコースター、ハンカチなど、リサイクル品と手作り品が並びます。

その隣、「ミシン・しゅげい・デコレーション屋」では、ミシンや手縫いで手芸品を作っています。ミシンで自分の手を縫わないよう、慎重に作業が進んでいます。

隣のコンビニ「Kids Store」では、まちで必要となるさまざまな材料を取り扱っています。一般のお客さんもいますが、他のお店から材料を買いに来る店員さんの姿もあり、大盛況でした。

曲がって、こどものまち総合病院では、身長と体重の計測が行われています。ただ測るだけではおもしろくない!ということで、身長のランキングをつけ始めました。

その隣は区役所です。スタートしてすぐは「仕事がない〜。」という声が聞こえましたが、おとなのツアーをしてくれたり、たくさん入っているメディアの取材対応をしてくれたりと大忙しの様子です。

ぐるっと一周回り終えると、もう終了まで30分しかありません。

予定の販売数を終えて閉店するお店も出てきて、だんだん終わりの雰囲気になってきています。

終了20分前、ハローワークが受付を終了したころに、メイン会場のまちのひろばではBGMに合わせて踊る一団が。なんだかとても楽しそうです。

 

あれよあれよと言う間に、まち終了の時間です。

みんなでもう一度まちのひろばに集まります。

北区長から労いの言葉をもらい、今日一日の様子を記録した振り返りの動画を見ました。最後まで、みんな集中して見ています。

最後に、こども区長からまちの閉会宣言があり、北区こどものまちは終了しました。

お迎えに来てくださったおうちの方に、今日一日のことを嬉しそうに話す人がたくさん!帰りにシールを貼るアンケートを取ると、「とっても楽しかった!来年もまた来たい!」にたくさんのシールを貼って帰ってくれました。