ミャンマースタディーツアー 2014 スタッフレポートその3

//ミャンマースタディーツアー 2014 スタッフレポートその3

■ダマティディ、ピンニャテッパン僧院学校教員WS 補足

 私が過去5年間にわたって行ったさまざまなワークショップの中で、もっとも現地教員の行動が変わったと感じているのが、日本の教育現場、とくに日本の教師の授業スタイルを実際に見てもらうものでした。日本の教師がいかにして学校現場で教える知識と、子どもたちが生きている世界を結びつけようと努力しているか、そのためのヒントが授業実践の中に隠れています。

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 たとえばある滋賀の教員の社会科の授業。収入と支出を学ぶこの授業では、教科書に載っている予算案をほとんど用いずに、自分の住んでいる街の予算案を子どもたちに見せるところから始まります。さらに、学校の予算も見せてしまいます。子どもにとっては教科書に載っている誰が住んでいるかもわからない地域の予算よりも、よほどリアリティがあるものになりますね。

 また和歌山の小学校、算数の授業。お金の出し方を考える授業では、いろんな出し方をゆっくりとみんなで考えた後に、なんと子どもたちがお店屋さんごっこをはじめます。その中で実際のお金の出し方を学んでいきます。

 京都の小学校では、教室空間そのものが工夫されています。目的に応じた机の配置、言葉の使い方、子どもたちの作品など、きれいに配置されています。また国語の授業では「話し合いの進め方」を学んでいきます。音楽会で保護者に喜んでもらうためにはどうすればいいのか、なんと小学2年生が話し合いを進めていきます。

 私は「これが日本の普通の授業風景です。先生も普通の先生です」と現地教員に説明していますが、実はこれ、半分正解で半分嘘です。普通の先生ではありません。私が選んだ「優れた」教師です。でも優れた教師であると説明してしまうと、現地の先生は必ず萎縮してしまい(「必ず」なんです。あまりに現実離れしていると彼らが感じてしまうと、すぐに無力感に包まれてしまいます)、効果がなくなってしまうんです。

 私の教員WSでは常に、学校で学んでいることが現実世界とリンクするように、なおかつ学びそのものが楽しいものであるようにと展開されていますが、なかなか具体物がないと伝わりませんでした。日本の教員の姿を見ながら、適宜解説を入れ、質問を受け付け、さらに分析していく、この方法が、現地教員の授業に対するイメージを変えることに一役買っていることは間違いないでしょう。(荒木寿友)

 現地での5日間の活動を終え、メンバーそれぞれがミャンマーの今を感じ、自分たちには何が出来るのだろうかを真剣に考える時間になりました。 ミャンマーの教育はまだまだ教育環境も、教育方法も発展途上にあり十分であるとは言えません。

 しかし、今回のツアーでは子どもたちへの愛に溢れた先生達や素直で純粋な子ども達に出会う事ができました。これからのミャンマーの教育の発展において、彼らの存在は可能性そのものです。しかし現状では、私たちの支援にも課題は残ります。1つは現地の先生方に年に2回しか現地に行って支援をできないことです。継続的な支援を志している以上、現地に入って長期的に支援を行うことが望ましいと考えます。年に2回の支援では、先生方への丁寧で細やかな指導は難しいのが現状です。

 現状では、現地の先生方の主体性に頼る部分が大きく定期的な指導やフィードバックができていない事も課題としてあげられます。その点で、これからはSNSや、Mailなどを駆使して現地の先生方の悩みや葛藤に対して共に悩み、解決策を提示していくことが可能になると考えています(ミャンマーのネット事情は年々改善してきており、その方法は可能になってきています)。

 これからの支援として、現地職員の専門技術向上の為に、現地職員を日本の教育現場に招いての研修等の企画も考えております。

 このように、私たちの支援にはまだまだ課題が残りますが今後の支援活動では、現地での支援のさらなる充実と日本にいてもできる支援を工夫していきたいと思います。 EN Lab.ではミャンマーの大人と子どもがともに手をとって素敵な未来を作れるように、教育支援を続けていきたいと考えています。今後の支援活動についてまたご報告させて頂きますので、今後ともEN Lab.をよろしくお願いします。 (石橋智晴)

2016-09-10T12:39:52+00:00 3月 10th, 2014|ミャンマースタディツアー|