◯日時 2015年3月1日〜2015年3月8日my1

◯渡航者

荒木寿友(立命館大学准教授、NPO法人EN Lab.代表)

小川麻綾(立命館大学4回生)

有廣悠乃(立命館大学3回生)

八藤丸亜矢(立命館大学3回生)

綿貫優太(立命館大学3回生)

◯訪問学校

サミャティーダ尼寺附属小学校

ダマティディ僧院学校

ライダマティタグ尼寺附属小学校

〈ワークショップの意図〉

今回私たちは二種類のワークショップを行いました。一つは日本で行われているワークショップ型の授業を実際に現地教員に体験してもらうもの、もう一つは教員養成のためのワークショップです。ワークショップ型授業については、すでに別箇所で報告されているためここでは詳細は割愛しますが、簡単に言うとそれは「体験」することによって学びを深めていく手法を現地教員に実感してもらうことを目的としています。私たちはこれまでの経験に基づいて物事を判断していきますが、そもそも経験したことがないものについては適切な判断を下すことができず、また自分でやってみようという気にもなかなかなりません。その問題を取り払うために、現地教員にまず体験してもらうことが必要と考え、実施に至っています。

二つめの教員養成のためのワークショップは、主として教員集団の形成と、年間指導計画を立てていくための礎となるものをつくるために行いました。ミャンマーは3月から長期休暇に入り、新学期が始まるのは6月となります。3月という時期は、教員にとっては一年間を振り返る時期であり、また新年度からの計画を立てていくための重要な時期になります。しかしながら、見聞する限りにおいて、ミャンマー僧院学校で学校教育目標を掲げている学校をこれまで見たことがありませんでした。そこで、学校としてどういった目標のもと子どもたちの成長に関わっていくのか、学校教育目標を教員全員で考える機会を設け、また教員集団としてどのような状態が望ましい状態なのかについて考えました。写真はサミャティーダ尼寺附属小学校で実際にまとめたものとなります。模造紙二枚分の大きさで、人のイラストは等身大の大きさになります。

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ここでは「全員で協力すること」(中央に表記)が学校教育目標の上位目標となり、その周りには各教師が教育を展開する中で大事にしたい目標が記載されています。目標が構造化されている訳ではありませんが(その意味では非常に不十分な目標の設置ですが)、今回は教師集団を形成すること、ならびに学校としての目標を全員で設定することが目的であったため、このような形になりました。なお、空いたスペースには教師が学期の途中でも追記してもいいようにしてあります。次回訪問の際に、新しい言葉が増えているかどうか、また教師が「全員が協力する」ような授業を展開しているかどうか、確かめてこようと思います。(荒木)

〈サミャティーダ尼寺附属小学校ワークショップ 1日目〉

今回、3つの学校でのワークショップを予定していた私たちが最初に訪れたのは、サミャティーダ尼寺附属小学校です。初めてミャンマーを訪れるメンバーもおり緊張した様子でしたが、「ミンガラーバ(こんにちは)」とあたたかい笑顔に迎えられ、すぐに緊張もほぐれました。

まずは荒木による、NPO法人EN Lab.の活動紹介がありました。私たちがこれまで行ってきた、廃校を使っての子ども向けワークショップ(もくもく大作戦)の動画にミャンマーの先生は興味津々。時折笑い声も聞こえるなか、和やかな雰囲気でこの日のワークショプは始まりました。

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つぎにアイスブレイクとして、パイプラインというアクティビティを行いました。パイプラインとは筒状の棒を半分に切ったものを一人一本ずつ持ち、その上にビー玉をのせて転がし、落とさないようにゴールまで運ぶというゲームです。一見簡単そうに見えますが、お互いが協力してパイプを繋がないとすぐにビー玉はつなぎ目から落ちてしまいます。最初は怪訝そうにしていた先生も予想以上に難しかったのか、いつのまにか白熱した様子で取り組んでいました。しかし、なかなかゴールまでつなげることができず、聞こえてくるのは「もう!ちゃんとやってよ!」「あなたのせいで落ちちゃった!」といった声。そこで一度作戦タイムを設けることにしました。どうすればゴールまでつなげることができるのか、話し合う先生の表情は真剣そのものです。いくつか案をだし、その後も挑戦を続けますが、なかなか最後までつなげることができません。そして最後の一回、今まで以上に慎重につながれたパイプの上をゆっくりとビー玉が転がっていきます。その場にいた全員の視線が集まるなか、最後の一人が持つパイプへとビー玉は移りそのままゴールへ。入った瞬間、跳び上がって手を取り合う先生たちの間には一緒にやり遂げたという一体感が流れていました。

その後、活動を振り返る時間を設けました。でてきた意見は「みんなで相談するほうがいい。」「相手に合わせる。」「自分にも(ビー玉が落ちてしまった)責任がある。」「一緒に頑張れば解決できる。」といったもの。「学校でも同じことが言えますよね?」という問いかけに先生たちも納得の表情を浮かべていました。「協力することの大切さ」を言葉だけでなく、体験的に学べる時間になったのではないかと思います。

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昼食の後は日本の教育についての紹介や、先生の抱える課題について話し合いました。ミャンマーとは違った教室の風景に驚き、話を聞きながら一生懸命メモを取るなど、どの先生からも「学びたい」という意欲が伝わってきました。また前述の通り、学校教育目標を考えるワークショップも行いました。「全員で協力すること」を目標に、今後さらに充実した教育が行われることを願って、この日の授業を終えることができました。(小川)

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