■〈ダマティディ僧院学校ワークショップ〉

通訳イーモンのお陰で前日に一日ワークショップをすることが決まったダマティディ僧院学校。ミャンマー市内の朝の通勤の渋滞により多少約束の時間の遅れたものの無事到着。トップの僧侶からの手厚いもてなしを受け、僧院学校とそこに通う子ども達を取り巻く近況について情報を交換した後で、いざワークショップの準備へ。ところが、先生達がまだ到着していないとこのこと。出席する現地の先生達の全員の到着した後に、まずお昼までの少しの時間ですが、代表荒木がアイスブレイクで先生達と軽い交流を行いました。

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最初に行ったアイスブレイクは、お絵かきのアイスブレクです。ある指定された絵を見てそれを口頭で伝えるチームとその伝えられた絵の内容を描写するチームに分かれ、指定された絵をそっくりそのまま描くというものです。私達はほとんどミャンマー語が分からないために、先生達同士がどのように絵を伝えていたかは明確には分かりませんが、出来上がった絵を見る限りは、それぞれの絵に先生達の個性が出ていました。

次に行ったアイスブレイクが、昨日の学校でも行ったパイプライン。ここの先生達が使ったパイプが扱いやすかったのか、先生達の手先が器用だったのか、人数が少なかったせいなのか、前日の先生達よりも早くゴール出来ていました。きっと、先生達のチームワークが元々良かったというのもあるのかもしれません。

このアイスブレイクの流れで、代表荒木が用意した資料を元に今年度の学級内における子ども達の目標を先生達自身で挙げていきました。この二つのアイスブレイクの目的は、チームワークの必要性を説明するためのものでした。ここで午前の部終了です。

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お昼をはさんで、今度は代表荒木による日本の学校に関するレクチャーとワークショップ。前回同様、日本の小学校で行われている授業展開や学級経営のために行われている工夫(係の制度)などの紹介、ラーニングピラミッドの概念、子どもが主体的に学習するため工夫などを代表荒木が説明。その後に、先生達によりそれらを体感してもらうためにEN Lab.学生メンバーによるワークショップ。まず、最初は代表荒木から英語のワークショップ。警察チームと泥棒リームに別れて行うゲームは、簡単にでき英語に触れるきっかけを作るものとして使われています。じゃんけんを行い、警察が勝つと進んでいきますが、泥棒が勝つと警察から逃げることが出来ます。ここで、EN Lab.スタッフも参加して、現地の先生達と距離を縮めることが出来ました。次は、綿貫による英語の絵本の読み聞かせを先生達に実際に行いました。これを行う意図は、絵本などの視覚的資料から、身振り手振りを使って聞こえてくる英語の意味を推測して、英語に慣れ親しむということです。最初は恥ずかしがっていた先生達も、最後は笑顔でノリノリで一緒に身振りをつけながら英語の絵本を楽しんでいました。最後に、有廣による英語ゲームです。Simon Saysと呼ばれるこのゲームは、指示者の発言の中にSimon(王様)が主語に来たときのみその動作を行えるというものです。例としては「Simon Says,stand up」の場合にプレイヤーは立ち上がることが出来ます。「Please sit down」の場合は座ることは出来ません。これは、相手の発言を注意して聞く能力向上と、英語に慣れ親しむことを目的に行いました。

ENLab. スタッフが実際にワークショップを行うことで、日本の授業で目的や意図を明確にして、子どもの主体性や興味を引く授業が具体的に伝わったのではないかと考えています。

この僧院学校がある地域は貧しい生活をしている人達が多いのが現状です。しかし、「ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)と笑顔で挨拶するととびっきりの笑顔でみんな挨拶してきてくれます。私はこの学校に訪問するのは2回目で、最初に訪問したときに会った僧院学校の周りの現地の人々が今回の訪問で会ったときに覚えていてくれました。また会えた嬉しさと、私を覚えてくれていたミャンマーの人達の優しさに触れることが出来ました。優しいミャンマーの人達の笑顔を見ると、生きていく上で大事なことを行くたびに気付かされます。(有廣)

■〈ライダマティタグ尼寺僧院学校WS

6日目はライタマティタグ尼寺僧院学校でのワークショップです。基本のワークショップは他の学校で行ったものと同様ですが、ここでは利き手と逆の手でペアになった人の似顔絵を描くというアイスブレイクを行いました。スタッフと僧院学校の先生がペアになり、英語を使ったり単語帳を利用しながらミャンマー語で会話をしたりと、ペア毎に違った方法でコミュニケーションをとりながら描き進めていきました。利き手とは逆の手を使うということで、絵を描くことに必死になりながらも、少しでも先生方と打ち解けたいというスタッフの気持ちが伝わったのか、とても和やかな雰囲気でアイスブレイクが終了しました。

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この日は僧院学校の先生だけでなく、高校を卒業したばかりの男の子もワークショップに参加してくれました。ある先生は、どんな授業内容が子どもの記憶に残るのかということを表したピラミッド型の図を書き留めていました。また、英語の教材であるチャンツ(リズムに乗って英語の発音を練習したり、フレーズを覚えたりできるもの)の話の中で、「ネットで検索するといろんな種類のチャンツが出てくる」と言われた瞬間、男の子が携帯で検索をし始めたのが印象に残っています。先生も男の子も、メモなどをとりながら真剣にワークショップに取り組んでくれていました。

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今回訪問した全ての学校の先生に共通していますが、パソコンに映し出される映像などを見る目は真剣そのものです。ミャンマーとは違う日本の教育とはどのようなものかということに興味を持っているようでした。先生方の反応から、日本とミャンマーの教育体系の違いを目の当たりにし、ミャンマーでの支援の意義を改めて考えさせられました。(八藤丸)