■ ミャンマーに触れて

今回のミャンマー訪問では、スーレーパゴダやシェダゴンパゴダをはじめ、民族村、日本人墓地、ボージョーマーケットに観光に行きました。

パゴダは靴を脱いで入るため、昼の陽射しがきつい時間帯は大理石が熱されていて、日陰を探して歩かなければいけませんでした。日本のお寺とは違い、全て金色で輝いているため、夕方になり日が暮れ始めるとその輝きが一層増してきます。私たちがパゴダへ行った日はちょうど満月で、夜空に金色のパゴダと満月が映えていました。何かの記念日だったのか、シェダゴンパゴダには大勢の人が参拝しに来ていて、ミャンマー人の信心深さを知ることができました。

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最終日は1日観光にあてることができ、日本人墓地へ行った後、民族村へ向かいました。日本人墓地には戦友会やNPO法人が建立した慰霊碑や、ミャンマーで亡くなられた方々の墓碑があります。きれいな花がたくさん咲いていて、とても静かなところでした。今回参加したスタッフも、このときはそれぞれが思い思いの場所を歩き、慰霊碑や墓碑を見ながら思いを巡らせていました。

その後、ミャンマーにある130近い民族の生活様式が一度で体験できる、ミャンマー民族村へ行きました。時間があまりなかったこともあり、自転車を借りて民族村をサイクリングをしました。この日は晴天で、立ち止まっていると汗が噴き出るような陽射しでしたが、広大な敷地を自転車に乗って風を切りながら走るのはとても気持ちが良かったです。

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観光の最後はホテルのすぐ近くにあるボージョー市場です。1、2階が吹き抜けの建物の中に屋台のようなお店が密集しており、メインストリートのような通りから横道にそれると、今どこにいるのかがわからなくなるくらいでした。服やかばん、竹細工のお土産物などがここでは一度に買うことができます。ここで私たちは、あるTシャツを探していました。色も柄もサイズも決まっていて、あとは服屋さんにそれがあるかを探すだけだったのですが、英語が通じず困っていると、日本語が話せる別のお店の店員さんが通訳をしてくれました。最初のお店では欲しかった色がなかったので、別の服屋さんを探すのも手伝ってくれました。欲しかったTシャツを見つけられた時は、スタッフ全員で心からお礼を言いました。その店員さんのお店で買い物をすることはできませんでしたが、困っている人がいたら進んで助けてくれる、現地の方々の優しさや心意気に触れられた一瞬でした。(八藤丸)

〈今回の訪問の概要と今後の支援について〉

今回は5名での訪問となりました。今回の訪問では、①教員養成のワークショップを開催すること、②今後遠隔から支援ができるためのウェブシステムを構築するための予備調査の実施という二つの目的がありました。当初予定では、ある僧院学校で三日間の長期ワークショップを行うことになっていましたが、日本を発つ直前になり学校のテストが終わらないということでキャンセルになり、慌てて別の僧院学校でワークショップを行うというハプニングがありました。新規支援校であるサミャティーダ尼寺附属小学校、以前から関わっているダマティディ僧院学校、私は約四年ぶりの訪問になるライダマティタグ尼寺附属小学校の三つの学校で計四日間のワークショップを開催しました。

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ワークショップについては別箇所において報告されていますので、ここではウェブサイトについて簡単に説明します。現在、EN Lab.では教員支援のためのウェブシステムを構築しようと考えていますが、その背景には、ほぼすべての教員がスマートフォンを所持できるようになった事実があります。私が訪問し始めた六年前には考えられなかったことですが、ミャンマーでは今や個人で携帯電話を持つことは当たり前になり、FacebookなどSNSをしている教師も珍しくありません。そこで着目したのが教師が各自の実践を持ち寄るサイトを構築するというアイデアです。このシステムを作れば、私たちも日常的にミャンマーの教師に関わることが可能となり、そこにおいて日本の実践を紹介したり、教材を共有することも可能になります。またそれだけではなく、そこに集うさまざまな学校の教師が交流することが可能になり、互いの実践を参考にすることができるようになります。

アンケートの結果、多くの現地教師は教育方法や教材についてより多くの情報を求めていることが明らかになりましたが、一方で、問題もないわけではありません。それは使用言語をどうするか(英語なのかビルマ語なのか)ということと、日常的に使用してもらうためにはどのような工夫が必要かということです。今後これらについては論議を重ねながら、2015年度中にウェブサイトを開設する予定にしています。

2015年度はこのようにウェブサイトの構築を中心にミャンマーの教員支援に関わっていく予定ですが、今後はこれに加えて、たとえばヤンゴン教育大学の教員や学生との情報交換なども効果的に組み込んでいければと考えています。